2025年01月16日
1月12日(日)、東京・新宿で行われた「生活のたのしみ展」へ。ほぼ日が2017年から年1回ほどのペースで開催しているイベントで、私は、2022年5月以来2回目の参加。計画していた旅行とたまたま重なりラッキーな展開だった。
2022年から会場となっているのは、この都庁の目の前にあるビル内の「三角広場」。開場前に着いて、ひまつぶしに都庁見物をして圧倒されたあと、会場に向かうのが恒例となりつつあります。
その名のとおり「生活のたのしみ」がところ狭しと展開されたイベントだけど、「じゃ、『生活のたのしみ』ってなんなんだ?」 開催期間中のある日、糸井重里さんが毎日更新のコラムで書いていた。
「それは、『ほぼ日』がやっていること、です(笑)。美術であろうが音楽であろうが、古典でも前衛でも、ファッションであろうが、お笑いであろうが、軟らかくても固くても、さまざまな学問であろうが、料理やおやつであろうが、高級だろうがB級だろうが、みんな『生活のたのしみ』だと思うんですよね。それを立派な建物に閉じ込めるんじゃなくて、みんなの前に『展(ひろげる・ながめる)』する。『ほぼ日』のやってることって、そういうことじゃないか。そのライブの場面が、ここにあるということですかねぇ。」(1月11日 ほぼ日刊イトイ新聞「今日のダーリン」より)
一言でいえば物販イベント。でもそれだけでは言い表せない。売る人も買う人も、物だけではない“たのしみ”をライブでやり取りしていて、買い物をしてもしなくても、会場を出た後には必ず「いい時間だった」と思える。
特設ステージの催しもほぼ日の方々が担当。私がいる間に、ステージから「お客様の中に、ルービックキューブを1分以内に揃えられる方はいらっしゃいませんか?」との呼びかけがあり、たまたま来場していた男の子が名乗りでてみごと達成! 自然と会場全体から温かい拍手があがった。
ものすごい集客をほこる大イベントなのに、裏方から接客まで、ふだんは別の仕事をしているほぼ日の社員の方々が総出で担っている。たとえば、私はいつもほぼ日を読んでいるので、会場で、「システム担当の人に牛丼運んでもらった」とか、「人事担当の人にトイレの場所を案内してもらった」などということがわかる。
慣れない仕事をされているはずなのに、その対応にはいつも感動する。どの社員の人と接しても同じである。ほぼ日の人たちはみんな「素でいい人」で、「“誠実”と“貢献”という言葉が身に染みている人」だとわかる。自分で考え行動して人を喜ばせられる、かっこいい人たちなのだ。
システム担当のベイさんに運んでもらった「牛ちゃわん定食」。気仙沼の板前さんがその場で作ってくれていて、想像以上に美味しかった。
ほぼ日の社長として、糸井重里さんは「うちには、伝家の宝刀のような言葉が二つあって、『誠実』と『貢献』です」(川島蓉子、糸井重里著『すいません、ほぼ日の経営。』より)と語っている。そして、「人によろこんでもらえるか」が事業のベースだとも。
「二〇年ほど前、偶然のようにピーター・ドラッカーの本を読みはじめて、『企業の目的は顧客の創造である』という言葉に出合いました。それ以来、どうしたら『顧客の創造』ができるのかを考えて、『人々がよろこんでくれるものを新しく生み出す』というふうに言い換えられると思いました。
『こんなことがあったらうれしい』ということが実現したら、そこに人が集まり、たくさんのやりとりが生まれる。新しい顧客が創られるとはそういうことだと思ったんです。そうやって稼ぐことが、人をよろこばせて市場の創造につながっていく。そんな理想的な循環ができていけばいいな、と。だからほぼ日の経営の根っこには『顧客の創造』があって、これは上場してもまったく変わりません。
そのために、『おいしい』や『うれしい』といった、人がもともと持っている感覚にもとづいた発想を練り込むことを、きちんとやらないといけないと思っています。
それができているかどうかというのは、言い換えれば、クリエイティブかどうかが問われるということです。クリエイティブな発想は、かならず人に訴えるつよさを持っています。
目先の生産性にとらわれず、時間とコストをかけてクリエイティブな発想でつくったものは、人の本来の感性にかならず訴えますし、また簡単にまねもできません。」(同)
「おいしい」に偏りすぎた感もある私の購入品がこちら。“できて4日以内”の揚げたてポテチに加え、気仙沼産の帆立がぎっしりつまったXO醬、豊洲の海苔店と作った「ごちそう海苔 海大臣ふりかけ」、東京すみだで100年以上続くガラスびんの製作所による「BINKOP」、蔵出しの輪島塗のお椀、などなど。
「生活のたのしみ展」は、田舎者の私にとって、最高のクリエイティブにつかの間浸れる夢のような場所である。それは、最先端とかイケイケということではない。トイレの場所を聞いただけですごく丁寧に、でもきびきびと案内してくれるとか、頼んだ食事が来るのを待っている間、「もうすぐお出しします」とにこやかに声をかけてくれるとか、会計の間にレジの人が「これ私も持ってるんですよ」と会話してくれるとか、つまり、そこにいる人みんなが笑顔で思いっきり働いている(=一所懸命人を喜ばせようとしている)ところを見られるということだ。
世の中には、“クリエイティブ”が何かえらいことのように見せようとする向きもなくはないと思うけれど、そんなことに惑わされず、ほぼ日のかっこいいおにいさんやおねえさんたちをお手本に、私も、精一杯人を喜ばせるために働いていこうと気持ちを新たにしたのでした。
たのしみ展の合間に、映画『PERFECT DAYS』のロケ地へ。そういえば主人公の平山もまた「誠実」と「貢献」の人ですね^^。